2017年 08月 17日(木)

【コラム:第7回】人生一番の後悔

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※当記事は、静岡新聞 夕刊「窓辺」(2017年8月14日)に掲載されたコラムです。
(静岡新聞許諾のもと紹介しております)
機会をいただきました静岡新聞様、ありがとうございます。
 
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私は後悔しない思考を心がけています。
 
失敗は何か意味がある経験と考え、自分で選んだ選択肢なら受け入れるよう考えます(うまくいかないこともありますが)。
 
でも、悔やんでも悔やみきれない後悔がひとつあります。
 
私が19歳の8月にがんで亡くなった母のことです。44歳でした。
 
 
覚えている限り、病気になってからも母は子どもたちに泣き顔も不安な顔も見せず、病気への不満も口にせず、いつも笑顔でした。
 
それだけに、母が大好きだった私に、「世界で一番死んでほしくない人が死んでしまった」悲しみは大きかったのです。
 
でも、子どもが生まれて私自身が母の年齢に近づき、考えが一変しました。
 
母がどんな気持ちだったか、想像できるのです。
 
自分の死で家族に大きな悲しみを背負わせたくない気持ち、手術して完治を期待しながら再発したショック、子どもの成長を支えられないかもしれないもどかしさ、自分の体への不安、農家女性の活躍の場をつくるという道半ばの志、まだ若い中で痩せて容姿が変わることへの女性としての悲しさ。
 
そんな葛藤を抱えていただろうことを、私は母が病気になった辛さで思い至りませんでした。
 
亡くなってから、闘病の間、父と母が何度も泣きながらいろんな選択をしてきたことを聞きました。
 
19歳の時の私にもっと、母の気持ちに寄り添う優しさがあったら。
 
私は自分のことしか考えていなかったという、もう挽回できない後悔をずっと抱えています。(了)
 

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